いま医療・健康分野でさまざまな研究がすすめられているカンナビノイド。
大麻の成分であることは知られていますが、体の中にも備わっていることはご存じでしょうか?
この記事では、体内でのカンナビノイドの働きと不足するとどうなるのかについてご説明していきます。
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内因性カンナビノイドシステム(ECS)とは
内因性カンナビノイドシステム(ECS)は、全身に存在するホメオスタシスを維持する仕組みのこと。
睡眠サイクルや食欲、免疫、感情のコントロールに影響を与えています。
この仕組みは、酵素が合成・分解する内因性カンナビノイドとその受容体によって行われます。
内因性カンナビノイドシステムは、人間だけでなく、ほとんどの動物に存在しているそうです。
ホメオスタシスとは・・・
生体恒常性(せいたいこうじょうせい)ともいう。
環境にあわせて、体内の水分・電解質・体温・血圧などが調整されて一定の状態を保つこと。
例えば、暑いと汗をかいて体温を下げる、走ると心拍数が早くなり血流を増やすなどのように、ホメオスタシスは無意識のうちに行われる体の反応です。
肉体的なものだけでなく、新しいことを初めても三日坊主で終わるというのも「今までどおりでよい」と元に戻ろうとする心理的なホメオスタシスの反応といわれています。
体の中のカンナビノイド
内因性カンナビノイドは体の中に存在するカンナビノイドのことで、酵素によって活性化され作用します。
脳内マリファナ類似物質とよばれることも。
次に説明する受容体に働きかけることで、さまざまな生体反応をひきおこします。
もともと母乳にも含まれていて、赤ちゃんは母乳を飲むことで内因性カンナビノイドシステムが働き、食欲や食事のリズムを整えています。
カンナビノイドの受容体
CB1(カンナビノイド受容体タイプ1)
THC(テトラヒドロカンナビノール)が直接作用する受容体です。
主に脳内に広く分布していて、その他は感覚神経・筋肉・肝臓・脂肪組織にも存在しています。
・記憶、認知機能
・運動制御
・食欲
・鎮痛
・脂肪の代謝
をコントロールする
CB2(カンナビノイド受容体タイプ2)
免疫系の細胞に多く分布しているカンナビノイドの受容体です。
・免疫機能
・炎症反応
をコントロールする
カンナビノイド不足は病気の原因になる?

強いストレスや加齢に伴って内因性カンナビノイドが不足する状態を臨床的カンナビノイド欠乏症(CECD)といいます。
・片頭痛
・線維筋痛症
・過敏性腸炎
・自己免疫疾患
・うつ病
・PTSD
・糖尿病など
これらの病気の原因には、生活習慣やストレスが大きく影響しています。
現在は、内因性カンナビノイドの不足も関連しているのではないかという仮説の元に研究もすすめられているようです。
CBDオイルの使用で症状が緩和したという症例も学会で報告されていました。
カンナビノイドのこれからに注目
大麻の成分であるカンナビノイドですが、欧米では医薬品としてだけでなく美容や予防医療、エステなどさまざまな領域で製品化されています。
日本でも研究がすすみ、今後より注目を集めていくのではないでしょうか。
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